クリプトスポリジウムは、人間や哺乳類などの脊椎動物の腸管に寄生する病原性の原虫です。
クリプトスポリジウムは、世界中の自然環境中に存在しています。
ですので、クリプトスポリジウムの感染は、世界中で発生しています。
また、夏季に多くなります。
また、幼児の感染率が高いそうです。
ところで、クリプトスポリジウムの怖い点は、乳児、高齢者、免疫不全の患者が感染すると、
死亡する場合があるにも関わらず、水道水に含まれている場合がある点です。
クリプトスポリジウムは、塩素に対して強い耐性(耐塩素性)があるため、
浄水場での塩素消毒では死滅しません。
浄水場で、クリプトスポリジウムを完全に除去、不活性化する事は、
困難であると考えられています。
ところで、クリプトスポリジウムは、人間や哺乳類などの脊椎動物の腸管以外に存在する時は、
4匹のスポロゾイトが入ったオーシストと呼ばれる卵の殻のような状態になっています。
クリプトスポリジウムが、人間や哺乳類などの体内に経口摂取されると、
小腸でオーシストの中のバナナ状のスポロゾイトが飛び出して、
粘膜上皮細胞の微絨毛に侵入します。
そして、スポロゾイトは、小腸の中で増殖を繰り返します。
そして、スポロゾイトが再度オーシストを形成しますが、
それが便と一緒に体外に放出して新たな感染源になります。
オーシストは、熱、低温、乾燥に弱く、60℃以上かまたは−20℃以下で30分ほどで感染力を失い、
4日間常温で乾燥しても、感染力を失います。
ところで、近年は、小児下痢症、渡航者下痢症、水系感染症の原因として、
クリプトスポリジウムが問題視されています。
また、クリプトスポリジウムの病原性が明らかにされたのが1976年ですので、
クリプトスポリジウムに関する研究は、まだ歴史が浅く、未解明な部分が多いそうです。
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