慢性鉛中毒は、鉛が体内で酵素の働きを阻害することで起きます。
■消化器系障害
食欲減退、食後胃部不快感、腹痛、鉛疝痛
■血液障害
鉛によって、造血組織でのヘモグロビン合成量が減少します。
血液障害の症状には、
貧血、鉛蒼白、高血圧、アテローム性動脈硬化症などがあります。
■神経障害
末梢神経の伝達速度の低下は、血液中の鉛濃度が30(μg/dl)で起きるそうです。
また、血液中の鉛濃度が300(μg/dl)を越える場合は、
脳症になる場合があるそうです。
また、鉛の神経毒性は、小児は成人よりも影響を受けやすいそうです。
神経障害の症状には、筋肉痛、関節痛、筋力低下、伸筋麻痺、嘔吐、昏睡、痙攣発作、鉛脳症、
神経遅延、学習障害、記憶低下、知能指数の低下、神経過敏、抹消神経障害、
感覚異常症などがあります。
■がん
IARC(国際がん研究機関)では、無機鉛化合物は、
グループ2a(人に対する発癌性がおそらくある)に含まれます。
また、鉛は、グループ2b(人に対する発癌性が疑われる)に含まれます。
■その他の症状
脳炎、脳水腫、大脳皮質の軟化、痴呆、腎臓障害、
不妊、疲労感、不眠、頭痛、関節痛、便秘などがあります。
|